赤ちゃんは『歩いたことがない』を言い訳にしない 未経験を行動に変える思考法

カイゼン,スキル,思考スキル,行動スキル

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ある朝、職場での出来事

上司「4月から君にこの業務をお願いしたい」
部下「その業務の経験がないので、私はできません」

職場でこの会話を聞いたとき、思わず耳を疑った。
気持ちはわかる。不安なのだろう。失敗したくないのだろう。

しかし「経験がない」は、行動しない理由にはならない。
何でも最初は未経験だ。それは赤ちゃんのときから、ずっとそうだった。

赤ちゃんは「未経験」を言い訳にしない

こんな赤ちゃんを想像してほしい。

「ハイハイしたことがないので、できません」
「歩いたことがないので、無理です」
「三輪車に乗ったことがないので、やりません」

笑い話のようで、笑えない。なぜなら、大人になった私たちが職場や日常での発言と全く同じだからだ。

赤ちゃんは転ぶ。何度でも転ぶ。それでも立ち上がり、また挑戦する。「転んだことがあるから、もう歩きません」とはならない。

未経験であることを当たり前に受け入れている。いや意識せずに何度も挑戦する。

いつから私たちは、「経験がない=できない」と思うようになったのだろうか。

「一代に名門なし」  人生はすべてが初体験だ

日本にこんな言葉がある。

「一代に名門なし」

どんな名家も、始まりは何もないところから一代が切り拓いた。初代に「経験」などなかった。それでも動いたから、名門になった。

人生のステージを思い浮かべてほしい。勉強、就職、結婚、子育て、介護、老い、そして死。これらすべてに「事前の経験」などない。誰も二回目の人生を生きていない。

人生とは、未経験の連続だ。

「経験がないからできない」という信条に従えば、人は何もしないまま死ぬことになる。

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なぜ「経験がない」を言い訳にするのか

では、なぜ大人になると「未経験」を盾にするようになるのか。理由はシンプルだ。

失敗が怖いからだ。

赤ちゃんには「失敗した自分を評価する他者」がいない。転んでも、笑われない。怒られない。だから怖くない。

大人の職場は違う。失敗すれば評価が下がる。恥をかく。責任を問われる。だから行動の前に「経験があるかどうか」を確認する。未経験であれば、依頼を断る。自分を守るための自動思考だ。

この防衛反応は、成長の機会をすべて遮断する。「経験がないからできない」と言い続けた先に、できるようになる未来はない。

アイデアクション的思考――未経験を武器に変える3つの考え方

① 毎回「ゼロベース」で挑む

経験がないことを「マイナス」ではなく「まっさらなスタート」として捉える。過去の成功体験に縛られず、過去の失敗に怯えず、今この瞬間の課題と向き合う。

ベテランが「昔はこうだった」という経験に縛られて変化できないとき、未経験者は先入観なく最善を考えられる。未経験は、弱点ではなく強みだ。

ゼロベース思考とは、固定観念や過去の経験、知識を一旦すべて白紙に戻し、ゼロから本質的な課題解決や新しいアイデアを考えるアプローチ

② スモール・ステップで動く

未経験だからこそ、最初から完璧を目指さない。まず1歩だけ進んでみる。
小さく試して、何ができないかを確かめる。
「頭で全部理解してから動く」のではなく、「動きながら理解を深める」が正しい順番だ。

赤ちゃんが最初からダッシュするわけではない。寝返りから、ハイハイから、つかまり立ちから始める。どんな仕事も、どんな挑戦も、プロセスは同じだ。

③ 行動したらフィードバックして精度を高める

やってみてわかったことを、次の行動に活かす。うまくいったことは続ける。うまくいかなかったことは修正する。この「考える⇔行動する(アイデアクション方式)」のサイクルを繰り返し続けることが、経験を積むことになる。

最初から成功する必要はない。成功に向かって少しずつ行動することだ。

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今日からできる実践ワーク

「経験がない」と感じたとき、次の問いを自分に投げかけてほしい。

  1. 「経験がないことが怖い」という感情は当然のこと。抱えたまま行動できないか?
  2. 失敗して責めるのは他人ではなく、自分ではないか?
  3. まず1%だけやるとしたら、最初の一歩は何から始めようか?

この3つを問い直すだけで、「できない」が「どこから始めるか」に変わる。

まとめ

人生は巨大な実験場だ。
勉強も、仕事も、結婚も、子育ても、老いも、すべてが初体験の連続である。「経験がない」は出発点であって、行動しない理由ではない。

ゼロベースで挑み、スモールステップで動き、フィードバックしながら精度を上げていく。このサイクルを回せる人間が、最終的に「経験者」になる。

経験は、行動した後についてくるものだ。行動の前に揃えるものではない。

あなたが今「経験がないからできない」と感じていることは何ですか? 
まず1割だけ、今日動いてみてください。

Polina Tankilevitchによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3735782/