上司に指摘されて気づいた3つの心理バイアス|仕事の判断を誤る思考のクセと対策

カイゼン実験室,コミュニケーション,スキルアップ研究,仕事,思考スキル,日常生活,行動スキル

 

ナオさん、そういえば「バイアス」ってよく聞きますけど、日本語で言うと何なんですか?

ざっくり言うと「思考のクセ」みたいなものかな。誰にでもあるものなんだけど、これがけっこう厄介でさ。

あ、それ聞いて思い出しました。この前、「このサプリ、有名な女優さんも使っている」という記事を読んで、すぐに買っってしまいました……。

それ、まさに今日話そうと思ってたやつだ(笑)。

人間の判断は、思っているほど完璧ではありません。
今回は、判断力を落とす3つの心理バイアスについて、実体験を交えながらまとめます。

バイアスとは何か

心理学や行動経済学の世界では、人間の判断や意思決定には一定の「偏り」があることが知られています。

これを「認知バイアス」と呼びます。

人は毎回すべての情報を細かく検討するのではなく、経験や直感を使って素早く判断します。この頭の中の近道を「ヒューリスティック」といい、素早い判断する一方で、偏りを生むことがあります。

合理的に考えれば正しい判断ができるはずなのに、感情や思い込み、過去の経緯などが影響して、無意識のうちに判断がゆがんでしまうのです。

認知バイアスは何十種類も存在すると言われていますが、今回はビジネスの現場で特につまずきやすい、次の3つに絞って紹介します。

  • 確証バイアス(Confirmation Bias)
  • サンクコスト効果(埋没費用バイアス)
  • ハロー効果(Halo Effect)

見慣れない用語で、ちょっと頭がクラクラしてきました

用語を覚える必要はなく、こんなことがあるんだと知るだけで良い。事例をみると、体験したことがあると思うよ

確証バイアス(Confirmation Bias)とは

確証バイアスとは、自分の意見や仮説を支持する情報ばかりを集めてしまい、反対の情報を軽視したり、無視したりしてしまう心理的な傾向のことです。

「自分は客観的に判断している」と思っていても、実は都合のいい情報だけを無意識に選んでいる、ということが起こりやすいバイアスです。

僕自身、これで失敗したことがあります。

ある新商品の企画提案をまとめていたとき、「これは絶対にいける」と思って、市場データ必死に集めていました。会議で上司に見せたところ、こう言われたんです。

この資料は、自分の都合の良いデータだけ集めている。反対意見のデータは調べたのか?

正直、そのときは何を言われているのか一瞬わかりませんでした。

自分では「客観的に調べたつもり」だったからです。
でも冷静に振り返ると、都合の悪いデータには最初からあまり目を向けていなかったんです。

それって、もしかして「聞きたいことだけ聞いてる」ってことですか?

まさにそれ。自分では気づかないんだよな、これが。だから「反対意見を2つ調べる」って、今はルールにしてる


確証バイアスを防ぐには、

「自分の考えに反対する2つ意見を探して、反対理由を調べる」

という公平な判断が必要です。

サンクコスト効果(埋没費用バイアス)とは

サンクコスト効果とは、すでに投じてしまったお金や時間、労力を惜しんで、合理的に考えれば撤退すべき状況でも、投資や行動をやめられなくなってしまうことです。

こんな体験をしました。

以前に担当していた社内プロジェクトが、途中から明らかに赤字続きになっていました。数字だけ見れば早めに撤退すべき状況だったのです。

「ここまで予算も時間もかけてきたのに、今さらやめられない」という気持ちで、なかなか撤退の判断ができませんでした。

すると、上司が強い口調で

これ以上続けて、赤字を出す気なのか!

プロジェクトを中止することになりました。

僕がこだわっていたのは「将来の見込み」ではなく、「これまで注ぎ込んだものを捨てるのはもったいない」だったんです。

判断するときは、「ここまでいくら使ったか」ではなく、

「これから追加するお金や時間に見合う成果があるか?」

を考える必要があります。

めちゃくちゃわかります。私も、途中でつまらないと思ったテレビドラマでも「ここまで見たからもったいない」って、結局最後まで見てしまいます

それも立派なサンクコストだね。見た時間は戻ってこないんだから、本当は「今、面白いかどうか」だけで決めていいはず

ハロー効果(Halo Effect)とは

ハロー効果とは、ある人や物の目立った特徴によって、すべてがよく見えてしまうことです。

「ハロー」とは英語で後光や光輪を意味し、宗教画で聖人の頭上に描かれる輝きのように、際立った一つの特徴が全体の印象を塗り替えてしまうことから、この名前がついています。

例えば、

「医師が紹介している商品だから信頼できる」
「ルックスが良いから優秀で誠実な人だろう」

一つの特徴から別の能力や性格まで推測してしまうケースです。

冒頭でハナが話していたサプリメントの話も、まさにこのハロー効果です。

「有名な女優さんが使っている」という一点だけで、成分や効果を確認する前に「良いものに違いない」と判断してしまう。

これはとてもよくあるパターンです。

僕自身も、人事採用の場面でこのハロー効果に影響されたことがあります。

中途で入社してきた社員が東大卒・元官僚という経歴だったのです。
「この経歴なら仕事はすぐできるだろう」と、勝手に期待値を上げすぎていました。

実際には、これまでの職務内容がまったく違う分野だったこともあり、立ち上がりに時間がかかりました。

決して本人の能力の問題ではなく、僕が「経歴」という一点だけで全体を判断してしまっていたんです。

学歴だけで「仕事もできるだろう」って決めつけてたんだよな。実際は未経験の仕事だったのに

私も有名人が紹介する商品だから即購入するのではなく、きちんと成分表示を見たり、評価を調べたりすることが大事ですね

まとめ:バイアスをゼロにはできないけれど

ここまで紹介した3つのバイアスに共通しているのは、「本人はまったく気づいていない」という点です。

心理バイアス判断前に確認すること
確証バイアス反対情報を2つ探したか?
サンクコスト効果過去ではなく今後の価値で判断したか?
ハロー効果第一印象と実際の能力を分けて見たか?

すべてを疑う必要はありません。
大きな判断をするときだけ、この3つを確認するだけでも十分です。

バイアスを完全になくすことはできません。
でも、「自分にもこのクセがあるかもしれない」と意識するだけで、判断の精度は少しずつ変わってきます。

私も、商品を買う時は一旦立ち止まってみます(笑)。

それでいいんだよ。「気づけた」時点で、もう半分は対策できてるようなものだから

おすすめ参考書籍

『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』(ダニエル・カーネマン著)

人間の直感や判断のクセを幅広く理解したい方におすすめです。

『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』(ダン・アリエリー著)

サンクコスト効果への理解を深めたい方にオススメです。

『影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか』(ロバート・B・チャルディーニ著)

肩書きや権威などが、人の判断や行動に与える影響を知りたい方におすすめです。この本は名著です。

仕事力を高める、おすすめ記事

©アイデアクション ideaction.net