怠け者の方が世界を動かす ホリエモンやひろゆきが言う優秀なプログラマー

カイゼン実験室,スキルアップ研究,仕事,学習法,思考スキル,行動スキル

Lisa from Pexelsによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/16129724/


「プログラマーって、なんか怠け者が多いよね」

こんな話を聞いたことがある人は多いんじゃないだろうか。
実際、エンジニアの友達を見ていると、なんか……面倒くさいことを避けたり、同じ作業を絶対にやらなかったり。「これ、この人ちゃんと働いてるの?」と思うこともある。

でも、ちょっと待ってほしい。これ、実は「最高の褒め言葉」なのだ。

おかしな話に聞こえるかもしれない。
でも、歴史的に見ると、世界を変えた人たちの多くは「怠け者」だった
ビル・ゲイツ氏と同じ発想が語られ、ホリエモン氏もひろゆき氏も同じことを言っている。

そして、プログラマーの世界にはその哲学が体系化されている。

今回は「怠け者が世界を動かす」という逆説を、プログラミングの話を入り口にしながら、ビジネスや仕事全般に広げて考えてみたい。


まず「怠け者」には2種類いる

話を進める前に、大前提を整理しておきたい。

「怠け者」と一口に言っても、まったく別の2種類が存在する。ここを混同すると話がぐちゃぐちゃになる。

😴 本当の怠け者🚀 賢い怠け者(プログラマー的)
考えること「後でいいや」「どうすれば楽になるか」
行動何もしない・先送り今、仕組み作りに集中する
未来問題が蓄積される労力がゼロになる
周囲の評価「あの人、使えない」「あの人がいると仕事が速い」
動機快楽・逃避長期的な効率の最大化

プログラマーが「怠け者が多い」と言われるとき、それは後者のことだ。
彼らは、サボっているわけじゃない。

「今ここでサボれる仕組み」を作るために、今すごく頑張っている。この逆説が面白い。

「本当の怠け者」と「賢い怠け者」の違いは、突き詰めると思考の使い方の問題だ。関連して、こちらの記事も参考になる。→ 「悩む」と「考える」の違いとは|心のエネルギーを無駄にしない思考法


ラリー・ウォールが言語化した「プログラマーの三大美徳」

プログラミング言語「Perl」の生みの親、ラリー・ウォール(Larry Wall)は、優れたプログラマーが持つべき資質を3つに言語化した。その名も「プログラマーの三大美徳」。

"The three great virtues of a programmer: Laziness, Impatience, and Hubris."

プログラマーの三つの偉大な美徳:怠惰、短気、そして傲慢。

Larry Wall(Perlの作者。書籍『プログラミングPerl』より)

① 怠惰(Laziness)― 楽をするために全力を尽くす

全体の労力を減らすために、多大な努力をする。

これが怠惰の定義だ。面倒な繰り返し作業があれば自動化する。
同じ質問を何度も受けるなら文書化する。

一見サボっているように見えて、実は将来の自分と周囲の時間を守るために、今すごく頑張っている

② 短気(Impatience)― 問題を先読みして潰す

コンピュータが遅いこと、非効率なことへの怒り。

この「短気さ」が、今の問題を解決するだけでなく、将来起こりうる問題まで先読みして設計するエンジニアを生み出す。
「またエラーが出たら嫌だ」という感情が、堅牢なシステムを作る原動力になる。

この「構造を先読みする」発想は、物事を多層的に見る思考法とも通じている。→ 視点を変えれば行動が変わる|世界を3つのレイヤーで見る思考法

③ 傲慢(Hubris)― 品質に妥協しないプライド

他人に文句をつけさせない成果物を作るという強い自尊心。

これが傲慢の意味だ。プロとしてのプライドが、手を抜かない・後で恥ずかしくならない仕事につながる。

この3つを合わせると、一つの像が浮かび上がる。

サボる方法を全力で考える一方、品質を高めるプロフェッショナル

これがプログラマーが「怠け者が多い」と言われる本当の姿だ。


世界を動かした「怠け者」たちのエピソード

この「賢い怠け者」思考は、プログラマーだけの話じゃない。世界的な成功者たちも、同じことを語っている。

🖥 ビル・ゲイツ ― 「難しい仕事は怠け者に任せろ」

難しい仕事は怠け者に任せろ
楽にやる方法を見つけるから

インターネット上でビル・ゲイツの言葉として広く知られているフレーズだ。

出典は不明確だが、メッセージ自体は真実をついている

Microsoftを一代で築いたゲイツの経営哲学は、まさに「人間がやる必要のないことはコンピュータにやらせる」という自動化思想の塊だった。
その発想の延長線に、世界最大のソフトウェア帝国がある。

💬 ひろゆき(西村博之)― 「努力でなんとかしようとする人はやり方を変えない」

努力でなんとかしようとする人はやり方を変えない

最小限の労力で成果をあげる姿勢が大事

2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の創設者・ひろゆき氏は、効率と合理性を徹底的に重視することで知られている。

そもそも2ちゃんねる自体が「怠け者発想」の産物だ。
コンテンツを自分で作らず、ユーザーが勝手に書き込む仕組みを作った。

一度設計した「場」が、膨大な価値を生み続けた。
これはまさに「仕組みを作って楽をする」という発想の極致だ。

🚀 ホリエモン(堀江貴文)― 「仕組み化できないビジネスはビジネスじゃない」

無駄な努力はするな

堀江貴文氏は、著書や講演で繰り返しこう語る。

「仕組み化できないビジネスはビジネスじ ネスじゃない」というのが彼の持論だ。

どうすれば自分がいなくても動き続けるか。
この「怠け者思考」こそが、ビジネスの拡張性を生む。


プログラマー的発想は、仕事全般に使える

僕がこの「賢い怠け者」思考に気づいたのは、あるエンジニアの友人の話を聞いたときだった。

彼は毎週月曜日の朝に送っていたチームへの週次レポートを、ある日スクリプトで自動化した。「1時間かけて書いてたのが、ボタン一発になった」と笑っていた。

最初のスクリプト作成には丸一日かかったという。でも彼は、その一日を惜しまなかった。なぜなら、将来の何百時間を取り戻せるからだ。

これは何もエンジニアだけの話じゃない。

営業・マーケティングの場合

毎回ゼロから書く提案書を、よく使うパターンでテンプレート化する。顧客への説明を動画や資料にまとめて、毎回同じ説明をしないで済む仕組みを作る。これはまさに「怠惰」の美徳だ。

管理職・リーダーの場合

「あなたがいないと回らない」チームは、実はリスクだ。どうすれば自分がいなくても動くか。判断基準をマニュアル化し、権限を委譲する。これが「短気」の美徳——非効率を放置しない姿勢だ。

仕組み化と同様に、仕事の評価を上げるシンプルな習慣がある。→ 仕事ができる人の共通点|まず「質問に答える」だけで評価が変わる

フリーランス・個人事業主の場合

よくある質問をFAQにまとめる。契約書ひな形を整備する。SNS投稿をまとめてスケジュール設定する。こういった「今サボれる仕組み作り」に時間を使うほど、将来の自分が楽になる。


なぜ一般人もプログラミングを学ぶといいのか

ここまで読んで、「なるほど怠け者思考は大事だな」と思った人に、もう一歩踏み込んだ提案をしたい。プログラミングを学ぶと、この「賢い怠け者」思考が骨の髄まで染み込む

別に、エンジニアになる必要はない。コードが書けるようになること以上に、「思考の型」が変わることが本質的な価値だ。

  • 繰り返しを見つける目が養われる:「あ、これ毎回やってる。自動化できないか」という発想が自然に出てくる。
  • ロジカル(論理思考)に分解するクセがつく:複雑な問題を小さく切り分け、一つずつ解決する思考習慣が身につく。
  • ツールを「使う側」から「作る側」の視点になれる:ExcelマクロやChatGPTのプロンプト設計、Notionのデータベース構築——こういったことが、プログラミング的思考を持っていると圧倒的にうまくなる。

また、Claudeをはじめとする生成AIを最大限に使いこなすためにも、プログラミングの基礎知識は武器になる。「このコードを直して」「このデータを整形して」と指示できる人と、できない人では、AIとの協働効率が何倍も違う。

AIと学習の関係については、こちらの記事でも深掘りしている。→ AI時代に子どもに必要な勉強とは?|人気AIと考えた大人にも使える学習法


まとめ:「今サボるために、今考える」

怠け者の方が世界を動かす——この逆説の本質は、短期の努力と長期の楽を入れ替える発想にある。

本当の怠け者は、今楽をして将来しんどくなる。賢い怠け者は、今頑張って将来楽になる仕組みを作る。その差は「現在の努力を未来に投資しているかどうか」だ。

ラリー・ウォールの三大美徳も、ひろゆきの「やり方を変えろ」も、ホリエモンの「仕組み化しろ」も、すべて同じことを指している。

「今サボるために、今考えろ。」

― ideaction 的解釈

あなたの仕事の中に、「毎回やってること」「また同じミスが出た」「自分がいないと止まる」という場面はないだろうか。それは「賢い怠け者」が介入するチャンスだ。

Andrea Piacquadioによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3771832/

参考・引用元

©アイデアクション ideaction.net